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140字SSまとめ

??????2026-07-09 16:18:09

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ハイパーフィクシオン

ハイパーフィクシオン#1
?那由多の銀河を超えて幾星霜。ぼくさまは大人になって、ぼくたちはハーメルンのこどもになった。「ねえヘボット、地球ってどんなのだっけ」「青くて、緑の島がいっぱいあるやつヘボ」「ヘボットは記憶力がいいねえ」「ロボヘボな」ヘボットはとても冷たい。「ロボヘボな」あたりまえ。あたりまえのことばかり聞いている。「すいへいりーべぼくのふねー」「すいきんちかもくどってんめいかい?全然違うヘボ」「そうだねえ」この前、土星によく似た星でヘボットにストーブ機能をつけた。スイッチンをオン。ヘボットは生きている。

ハイパーフィクシオン#2
数多の銀河を超えて幾星霜。ぼくたちは星の間を飛ぶ彗星になった。「なんで地球のあるところにしかひとはいなかったのかな」「太陽系は運が良かったヘボ。ほかはきっと運が悪かったんじゃないへぼか?」「ふうん。ヘボットは頭がいいねえ」「この前ネジルが誰もいない星のスパコンを改造してつけてくれたから処理能力が上がってるんヘボよ」ヘボットが笑ってくれて嬉しい。脳みそが変わっても昔と変わってないのがうれしい?そう考えるのはちょっとこわい。「ぼくさまって変わった?」「そうヘボなあ。成長したヘボ」それって変わったってことなの?「ネジルが大きくなって、ヘボも大きくなって、二人で生きていけるなんておれさまはうれしいヘボよ」そっか。ならなにより。?


空白/#49ED
「もう疲れた」
大の字に寝転がって呟いてみる。 もくもくの宇宙の空白には、自分しかいない。 真っ白な中に記号たちはぐるぐると円を描いて去ってゆく。
「ならもう休めばいい」
ので、このやさしい声もきっとまやかし。 ゴツゴツとした靴も、腹部を晒した服も、見覚えはあったけど。
「兄上は、多分そんなこと言わないのだ」
立ち上がれば、輪郭がぼやける。 次のステージできっと待っている。 そんな予感がする。

ダメだな、と笑う声は残響に違いなかった。


ハイパーフィクシオン#3
数多の銀河を越える前。ぼくさまの物語は終わりを迎えてぼくたちは舞台の外側へ飛び出した。からっぽのネジが島を振り向いたことはなかった。ノスタルジアを感じることなんてなかった。いつだって帰ってこれると信じて宇宙にまでぼくたちは拡散した。大人になるなんておとぎ話のように、自分からきりはなされていた。大人になった自分が、何者になるかなんて宇宙の果てより遠い未来だった。

ハイパーフィクシオン#4
幾たびの銀河を超えてから、無性に寒いことが苦手になった。成長していくてのひらと繋がれる変わらぬヘボットの手に、自分が誰だったかわからなくなっていく。自分がいっぱいいたあの時にだってそんなことはなかったのに、とヘボットに言えば「思春期ヘボなあ」と笑われる。ヘボットに乗るのも難しくなって少しずつヘボットを大きくしていった。いつも喜んでくれるヘボットにぼくさまも微笑んだ。砂漠の星の青空は綺麗だったから、「きっとすぐ消えてしまうね」と言った。ここは火星じゃないよ。

ハイパーフィクシオン#5
無限の宇宙を超えて遥々と。懐かしい顔すら出てこない。トマトを食べることに感慨も生まれない。ヘボットはよく昔話をするようになった。ぼくさまはたくさん取りこぼしているようで、「うん」「そうだったね」「懐かしいな」と上の空で答えた。ヘボットの話す子供の頃のおとぎ話は、楽しくて、はちゃめちゃで、自分もそんな子供だったことが、今の自分とあまり結びつかない。「ネジルは図体だけ大きくなってなーんにも変わらんヘボ」「そう?」「ネジ見たらすーぐ飛びついて舐めるヘボ!さすがにみっともないヘボ」ネジは今も大好きだ。ヘボットのことも大好き。だからたぶん、みんなのことも、大好きだよ。

ハイパーエリュシオン
「ここはどこだと思う?そうだ。宇宙の果てだ。宇宙の生まれた場所だ。お前の存在しない場所だ。ならどうしてお前はここにいる?ああ、そうとも。お前はここまでたどり着いたのだ。ここがお前の終着点だ。え?宇宙には果てなんかないって?そうだよ、宇宙に終わりなんてない。果てたのはお前の旅だ。そして、終わったのなら、そこが宇宙の果てなのだ。ようこそ、終わりへ。ここが、お前が綴られる、最後のページだ」